
梅雨開け宣言が少し前。いよいよ夏本番です。
うだる・バテる・ゆだる。
そんなグダグダ感を吹き飛ばしてくれる、土用のウナギ様も今年は遠い存在になりつつある今。
元祖滋養強壮の『タマゴ』。
昭和の時代にはメロンの次に高価な見舞いの品でもあったと言う、伝説の『タマゴ』。
そんな伝説の食材に関する絵本を今日は紹介いたします。
『おしゃべりなたまごやき』
(寺村輝夫 作 長新太 画 福音館社書店 平8)
です。
表紙のにわとり小屋には、にわとりがみっしり。
上下左右、3次元のあらゆる方向を駆使して、小屋ににわとりがみっしりとつめ込まれています。
それを見ている王様の背中。
この表紙の絵の肝になっています。
ミステリーで言う所の『伏線』です。そう。事件はここから始まるのです。
物語は、王様が城内の散歩をするところから始まります。
そして王様は、みっしりとにわとりが詰まった小屋を見て思うのです。
にわとりが、ぎゅうぎゅう詰めで、けっけと鳴いているのを見て思うのです。
「おお、かわいそうに。これじゃあ、きゅうくつで、あそぶこともできないね。
よし、王さまが、とをあけてやろう」
ちょっと待てーーーっ!!
それは開けてはならない扉です。俗に言う『死亡フラグ』と言うヤツです。
しかし、そういう時に限って小屋の鍵がさしたままになっていたりするのです……。
ここからは、もう想像を絶するてんやわんや。
少しだけ書くと、にわとりは小屋から逃げる。王様はそれに襲われる。
それを見た兵隊は王様を助けようと発砲騒ぎ。
こんなのは序の口で、とにかく上から下まで天地をひっくり返す大騒動です。
それを王様はどうおさめるのか、逃げ出したにわとりはどうなるのか。
最大の問題の王様の晩御飯の目玉焼きはどうなるのか……。
そしてかんじんの『おしゃべりな』目玉焼きとはどんなものなのか。
続きはぜひ読んでみてください。
極めて個人的な意見ですが、『自分の役割』(この場合は王様)が『間違った優しさ』を発揮したら……そういう歴史的な事件は幾らでもあるような。
ここは大人なんだから、ちょっと考えようよ。
などと思ったんですが。
これは絵本ですから!
こんなひんまがった事は考えずに、純粋に楽しんでください。
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(小川知里)

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