この間、保育園に通っている甥の学芸会の様子を聞いたんですが……。
開いた口がふさがらない、と言うか、そもそもびっくりしすぎて口が開かないと言うか。
演目は『ももたろう』だったのですが、ももたろうが5人、犬猿雉は各ももたろうに一組ずつですから計15人、あと全員が鬼の役。
とにかく、クラス全員がなんらかの役についている状態。
そして、ももたろうのうち一人が先生で、先生ももたろうが引率係になっているとか、
犬猿雉はきびだんご一つで契約された哀れな契約労働者ではなく、固い友情で結ばれた友だちである、とか。
この時点で突っ込むことをやめたんですが、最後に残ってました。
最大の爆弾が。
鬼ヶ島に到着したももたろうが、『はないちもんめ』で鬼と仲良くなる…ですと…
えーと、責任者の方、ちょっと話があるんですが、と思っていたんですが、
ネットで少しばっかり調べてみると、今の学芸会の主流は
『みんなが主役』
『差別をしない』
『乱暴な事はしない』
みたいな不文律があって、クラス全員の女子がかぐや姫だったり、
浦島太郎の亀は子どもたちに虐められてたのではなくて、一緒に遊んでいた事になってたりするのは、もう日常茶飯事だそうで。
……これが良いか、悪いかはこれ以上言及しませんが……。
とにかく、一度原作に近いものを読んでみようよ。
物語は時代によって変化するとは言え、原点を知っておきましょうよ。
というわけで、今日のオススメ絵本は
『ももたろう』
(松居直 文 赤羽末吉 画 福音館書店 平8)
です。
よくよく読めば理不尽だらけの昔話だとは思いますが、古典は古典。
こういう世界観もあるというのを知るのも、大事じゃないのかなぁ…と甥の第4のももたろう姿写真を見ながら、思ったりもするのです。
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(小川知里)
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