生まれ持った自分の特長を、他人と比べて嘆くか。
それとも自分らしく使いこなして誇るか。
この違いで生が自分にとって楽しくなるか、そうでないか。
こういう話は沢山存在します。
そして、自分の特長を捨てて、人の特長を欲しがると大抵痛い目に合います。
いわゆる『自分の分をわきまえましょう』かつ『君には君の可能性がある』
と言ったところでしょうか。
自分にないから欲しいんじゃないか、とか思うのは……きっと教育上よろしくないのですね。
ここは素直に実態の掴めない、ぬめっとした『自分らしさ』を探してみましょう。
今日のオススメ絵本は
『はりねずみのはりこ』
(なかやみわ さく・え 福音館書店 平15)
です。
主人公は、はりねずみのはりこ。おばあちゃんがお針子さんで、その手伝いをしています。
はりこの主な仕事は出来上がった商品を届けること。
はりこはその商品を見るたびに、自分も着たいなと思うこのごろなのです。
しかし、それはお客さま(ネズミやヒツジやキジ)に合わせて作られたもの。
はりねずみのはりこには着るのに問題があったのです。
そう、背中の針、という。
そうして落ち込むはりこをみたおばあちゃんが……というのが粗筋です。
はりこが他の動物のマネをして失敗するところよりも、商品を届けた先の動物たちがはりこの願いをいろんな形で一生懸命叶えようとしてくれるところが、この本の一番の読みどころだと思った私は、速攻で違う!と言われました。
そういう訳で、おばあちゃんからはりこへのプレゼントと『ハリネズミの分』というやつを堪能して下さい。
絵が可愛くてとてもほのぼのします。
そしてはりねずみと聞くと『ハリネズミのジレンマ』を思い出し、
その解消法を簡単に言った京極堂シリーズに出てくる榎木津大明神を思い出します。
こちらの答も秘密にしておきますので、興味を持たれたら読んでみて下さい。
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(小川知里)
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