『物事は角度を変えて見てみれば、全然違ってみえてくる』
『真実とは人の記憶の中にだけあるものだ』
『事実と真実は違う』
『《本当の事》など当事者にもわからない』
などなど、人の認識や真実については様々な見解が示されますが。
何が真実であろうと、どんな理由であろうと、『起こった事象』は変えられない。
例えば、目の前にまだプルトップの開いていない、自分用の麦酒の缶があったとして、
気がついたら缶の中身がなくなっていたとします。
そして、目の前には酒に弱い友人が真っ赤な顔かついびきを掻いて寝こけていたとします。
その状況下だと
・自分の麦酒の中身がなくなった
・酒に弱い友人が酔っ払って寝ている
この二つから導き出されるのは、『目の前の友人が呑んだ』という事象です。
友人にどんな理由があったのかは知りません。考慮しません。
ただ、この事象が横たわり、加害者は友人・被害者は自分という図が出来上がります。
うだうだと長い前置きになりましたが、こんな事を考えさせられるのが今日のオススメ絵本です。
今日のオススメ絵本は
『三びきのコブタの本当の話』
(ジョン・シェスカ 作 レイン・スミス 絵 いくしまさちこ 訳 岩波書店 平11)
です。
不朽の名作『三びきのこぶた』のスピンオフ作品、とでも言ったところでしょうか。
主人公は悪役だったオオカミ。名前はアレキサンダー・T・ウルフ。
通称アル。
彼が獄中で語ります。
「おれはわるいオオカミだってのはうそっぱちさ」
「ほんとうはくしゃみとさとうのせいなんだよ」
さてさて、ここからはじまるアルが語る《本当の》三びきのコブタ事件。
あなたは読み終わって、この事件をどのように判断しますか?
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(小川知里)
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